第2回生涯学習研修集会

2nd Conference of the Training for Lifelong Learning

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理学療法と研究活動および研究の導入

奥 壽郎
大阪人間科学大学 人間科学部 理学療法学科 教授
講演概要
 本研修会シリーズ第1講は、なぜ研究が必要なのか,どんな領域があるのか,研究活動の入り口について解説する。
 理学療法の専門性及びEBPT( Evidence-based Physical therapy )の概念から考えると、理学療法士は、研究を実践しその成果を臨床に提供し、結果を吟味する繰り返しである。
 研究活動の概念として、研究の進め方,研究テーマとPICO,研究デザインとエビデンスレベルについて解説する。
 さらに、今後期待される介護保険下での研究活動を紹介する。
受講者へのメッセージ
「1テーマ研究をするたびに理学療法の観る眼が変わります」
略歴
1987年:高知リハビリテーション学院理学療法学科卒業
同年4月より聖マリアンナ医科大学病院,聖テレジア病院で臨床に従事
2003年~臨床福祉専門学校,帝京科学大学,宝塚医療大学に勤務
2017年より大阪人間科学大学人間科学部理学療法学科教授,現在に至る

研究法の種類(疑問をモデル化する)、文献検索の方法(エビデンスの検索)

谷埜 予士次
関西医療大学 保健医療学部 理学療法学科 教授
講演概要
 理学療法における臨床研究は、客観的な理学療法評価法の確立、効果的な運動療法や機器の開発などに寄与し、患者さんの生活の質を向上させることを目的に実施されるものとなります。しかしながら、いきなりこのような意気込みで臨床研究を始めるのも荷が重いと感じるかも知れません。日常の臨床業務中、何かしら疑問に思うことがあると思います。些細なもので構いません、そう思えることが1つでもあるならば、それについて探究してみる、すなわち臨床研究にトライしてみるチャンスであり、この行動が理学療法の発展に貢献すると思われます。本研修会のシリーズ第2講は、(1)研究法の種類(疑問をモデル化する)、(2)文献検索の方法(エビデンスの検索)についての解説であり、臨床で疑問を感じた場合にどのように研究計画立案へと展開するかの糸口を提供できればと思います。
受講者へのメッセージ
 私も研究法についてはまだまだ勉強中です。お互いより良い研究ができるように、ディスカッションさせていただけましたら幸甚に存じます。
略歴
1997年 関西医療学園専門学校 理学療法学科 卒業
2003年 大阪体育大学大学院スポーツ科学研究科 博士前期課程修了 修士(スポーツ科学)
2012年 博士(医学)号取得(関西医科大学)
専門理学療法士(基礎理学療法)
主に筋電図を用いた運動学的解析を中心に研究を実施

研究デザイン、データ収集、統計解析について

松木 明好
四條畷学園大学 理学療法学専攻 教授
講演概要
 本講義シリーズの受講目標は、「理学療法分野における臨床研究を立ち上げ、論文としてまとめて出版すること」です。その目標に向けて構成されている本シリーズの第3講にあたる本講義では、その過程で必要となる最低限の(1)研究デザイン、(2)データ収集、(3)統計解析について学びます。(1)「研究デザイン」の項では理学療法分野でよく用いられる代表的な研究デザインを理解し、自己のリサーチクエスチョンにあったものを選択できるようになることを目指します。(2)「データの収集」の項では、データ収集開始前に、「いつ」「何を」「どれくらい」集めるのかを検討できるようになることを目指します。(3)「統計解析」の項では自己の研究の目的、デザインおよび取り扱うデータに合う検定方法を選択できるようになることを目指します。講義終了後、希望があれば個別の研究フォローアップも提供します。
受講者へのメッセージ
 臨床研究をしたいが指導を受けられる環境にない、一度体験してみたい、と思っている研究未経験者が主な対象です。希望があれば学会発表、論文化までサポートしますので、一緒に頑張ってみましょう。
略歴
2003年 国立病院機構近畿中央胸部疾患センター附属リハビリテーション学院 卒業(理学療法士免許)
2010年 大阪府立大学大学院総合リハビリテーション学研究科博士前期課程 修了
2013年 大阪府立大学大学院総合リハビリテーション学研究科博士後期課程 修了(保健学博士)
2003年−2011年 医療法人ペガサス 馬場記念病院
2011年−現在 四條畷学園大学リハビリテーション学部

研究倫理、学会発表から論文執筆へ

三谷 保弘
関西福祉科学大学 理学療法学専攻 教授
講演概要
 最善の理学療法を提供するためにも、理学療法士は研究により臨床疑問を解決する必要があります。ただし、研究は研究計画に基づき適切に進める必要があり、人を対象とする研究では対象者の人権やリスクに対しても十分に配慮しなければなりません。
 研究成果の公表の場として、関連する学際領域での学会発表ならびに論文があります。研究によって素晴らしい成果が得られたとしても、正しい方法で伝えなければ他者にとって有益な情報とはなりません。ましてや、データの捏造や改ざん、盗用は重大な不正行為であり、二重投稿や分割出版(サラミ出版)なども行ってはいけません。
 これらを踏まえて、本講義では、研究倫理、理学療法士が研究を行うことの意義、研究成果の公表の仕方について解説します。
受講者へのメッセージ
 適切に研究成果を公表することは、理学療法におけるエビデンスの構築に大きく貢献します。また、学会発表や論文で研究成果を公表すると、多くの助言やコメントが得られ、自らの考えを修正し発展することができます。本講義をきっかけに、多くの研究成果が公表されることを願っています。
略歴
 平成9年徳島医療福祉専門学校理学療法学科卒業、理学療法士免許取得。急性期病院、理学療法士養成校での勤務を経て、平成24年関西福祉科学大学保健医療学部リハビリテーション学科准教授、平成29年同教授(現在に至る)。
 平成18年に大阪体育大学大学院博士前期課程を修了(修士(スポーツ科学))、平成21年に国際医療福祉大学大学院博士課程を修了(博士(保健医療学))。現在、運動解析手法を用いたスポーツ理学療法領域での運動療法の有効性や妥当性について研究している。また、スポーツ選手の傷害調査ならびにコンディショニング指導を行っている。
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