第32回大阪府理学療法学術大会
大会長 中川 法一
(増原クリニック、株式会社フルーション)
Concept
疾患別(臓器別)リハビリテーションが専門分科して発展する中で、私たちは本来のリハビリテーションの役割である様々な障がいや疾病を抱えながら生きていく人を支援しているのであろうかと、まさに「病を見て人を見ず」と揶揄された過ちを繰り返す事にならないのかという批判的視点から企画を始めました。理学療法士の資格を取得したら、専門領域に邁進するのではなく、先ずは理学療法士に求められる全般的な能力を獲得し底上げする、いわゆるジェネラリストとしての素地を涵養することが重要不可欠だと考えています。従いまして、理学療法士の登竜門とされる当学会の使命は、若手会員の理学療法能力の底上げを目的とした研鑽の場であるべきだと考え企画をしました。
Theme
「生涯学習」-キャリアラダーとゴール-
Overview
ジェネラリストとしての素地の涵養を命題にして、多様な特性を持つ施設の会員がディスカッションできる場の提供を考えました。そこで「病期」という点に着目し急性期、回復期、生活期に加え災害時での理学療法士のあり方を考えるシンポジウムを核に学会を構成いたしました。一般演題にもシンポジウムと連動した病期別の症例検討セッションを企画枠として設けています。また、これらを府士会として具現化する意味で教育講演として大阪府理学療法士会の熊崎大輔会長による「大阪府理学療法士会における次世代のための人材育成」を予定しています。
特別講演には、大阪大学大学院教授の仲野徹先生(生命機能研究科 時空生物学、医学系研究科 病理学)をお招きして、細胞というミクロから人の生活というマクロに繋がる視点や、再生医療とリハビリテーションに関わるホットな話題も交えて私たち理学療法士の歩むべき道標にとって示唆に富んだお話をして頂きます。
一般演題は例年通りに、口述とポスターのセッションを準備しており、学生の演題発表も引き続き企画しております。今回は疾患別から病期別という切り口でのセッション構成を試行しておりますので、日常的に研究活動が行いにくい環境にある方々も気後れすることなく、臨床での疑問や経験を基に議論に参加いただけると考えておりますので、多くの方々の活発なご討議を期待しています。