第2回生涯学習研修集会

2nd Conference of the Training for Lifelong Learning

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下肢の協調性と運動連鎖

福井 勉
文京学院大学大学院 保健医療科学研究科 教授
講演概要
下肢の運動学では、例えばスクワット動作では足関節背屈と股関節屈曲運動に相互補完的関係(trade-off)が認められている。これは運動力学的にも認められており、スクワット動作では足関節底屈、膝関節伸展、股関節伸展モーメント間にその関係がある。いわゆる運動連鎖という少々曖昧な定義ではなく、これらの関係性については理学療法施行上有意義な関係性を有する。また類似した相互補完関係は、筋相互にもあるため、姿勢や動作を考える上で重要となる。ある一つの関節の運動力学的負担が大きくなると、例えば筋緊張が高くなるといったことが認められるが、その際、単に筋緊張を低下させるだけでは問題解決に至らないことが多い。特に姿勢や動作自体がその兆候の関係の原因である場合である。それらの関係性について述べさせていただく。
受講者へのメッセージ
講演概要のように人の姿勢や動作の運動学的および運動力学的相互補完関係を知ることで運動療法への展開がより深くなるのではないかと考えています。
略歴
1959年 東京都下町生まれ(猪年 いて座 O型 水星人)
1982年 東京都立府中リハビリテーション専門学校卒業
1987年 東京理科大学卒業
1994年 医学博士(昭和大学:整形外科学)
1982年 昭和大学藤が丘病院 リハビリテーション部
1987年 東京都立医療技術短期大学 助手
1992年 昭和大学藤が丘リハビリテーション病院
1997年 昭和大学医療短期大学 理学療法学科 助教授
2002年 昭和大学保健医療学部 理学療法学科 助教授
2006年 文京学院大学保健医療技術学部理学療法学科教授
2020年現在
文京学院大学 副学長・保健医療技術学部教授
保健科学研究科教授・スポーツマネジメント研究所所長
昭和大学保健医療学部客員教授
専門理学療法士(運動器理学療法,基礎理学療法)
所属学会
日本理学療法士協会 日本体力医学会 日本人間工学会 日本生理人類学会 日本臨床バイオメカニクス学会 バイオメカニズム学会 日本バイオメカニクス学会 臨床歩行分析研究会 理学療法科学学会
Western大学客員教授、Otago大学客員研究員、JICA専門家派遣(中国),神奈川県理学療法士会理事、日本理学療法士協会卒前教育部部員、日本理学療法士協会卒後教育部部員、東京都理学療法士会卒前教育部部員、東京都理学療法士会スポーツ委員会副委員長などを歴任
現在 昭和大学客員教授、雑誌理学療法ジャーナル編集委員、日本ダンス医科学研究会(理事),芸術家のくすり箱(理事)

スポーツ損傷の予防に向けた取り組み

小柳 磨毅
電気通信大学大学院 医療福祉工学研究科 医療福祉工学専攻 教授
講演概要
1.上肢スポーツ損傷への戦略
ラグビー選手等に頻発する肩関節(再)脱臼に対する課題達成型のリハビリテーション、画像分析を用いたパフォーマンスの評価と指導、開発した予防装具の効果を紹介する。また、投球障害肩に対して考案した投球フォームの画像分析と改善ドリル、開発した野球肘の予防装具と超音波を用いた検証結果を示す。
2.下肢スポーツ損傷への戦略
膝前十字靱帯(再)損傷の予防に向けて開発した大腿四頭筋強化トレーニング機器、荷重位の膝関節不安定性を反映する臨床的評価、着圧ウエアと解剖学的な軟性装具の有用性を示す。さらに膝慢性障害の予防に向けたEccentric decline squatの分析、開発したKnee-inを制御するストラップを紹介する。
3.競技大会の支援と縦断的な支援
甲子園球場で開催される高校野球の全国大会への支援活動を供覧し、 脳振盪などの重症外傷も含めた救急対応の実例を示す。次に予防に向けた少年野球チームや高校部活動への縦断的な支援活動を紹介する。
受講者へのメッセージ
 アスリートケアと称して、理学療法士によるスポーツ選手の健康支援活動を、25年以上に渡って組織的に実践しています。その過程で、関節運動や運動エネルギーの連鎖をはじめとする運動学的視点からスポーツ損傷の発生機序を分析し、予防対策を模索してきました。
 講演では医療から保健までを包括した研究開発の成果と社会貢献の実際を紹介し、スポーツ損傷の予防に向けた取り組みのエビデンスを示します。
略歴
• 経歴
o 学歴
国立療養所近畿中央病院附属リハビリテーション学院理学療法学科 卒業(1984)
関西大学社会学部社会学科 卒業(1986)
大阪教育大学大学院教育学研究科修士課程健康科学専攻 修了(1996)
博士(医学) 大阪大学(2008)
o 職歴
大阪大学医学部附属病院理学療法部 理学療法士(1984)
財団法人 日本体育協会スポーツ診療所 理学療法士(1989)
大阪府立病院整形外科理学療法室 理学療法士(1993)
大阪府立看護大学医療技術短期大学部理学療法学科 助手(1994)
大阪府立看護大学医療技術短期大学部理学療法学科 講師(1997)
四條畷学園短期大学リハビリテーション学科理学療法専攻 教授(2001)
四條畷学園大学リハビリテーション学科理学療法専攻 教授(2005)
大阪電気通信大学医療福祉工学部理学療法学科 教授(2006)
大阪電気通信大学大学院博士後期課程 指導教員 教授(2008)
• 取得資格・学位等
理学療法士(免許証番号 第13161号)
修士(学術)大阪教育大学大学院 第1919号
博士(医学)大阪大学 第22386号
専門理学療法士(運動器 登録番号 2017S-03-000194)
日本スポーツ協会公認アスレチックトレーナー(認定番号 129138)
• 公的機関等における委員・役員など
1. 財団法人日本高等学校野球連盟 医科学委員(1997〜) 評議委員(2020〜)
2. 日本オリンピック委員会 強化スタッフ(2001〜2005)
• 学会等の財団法人・社団法人における組織運営
1. スポーツ傷害フォーラム 世話人(2005〜)
2. 日本臨床バイオメカニクス学会 評議委員(2008〜)
3. 一般社団法人アスリートケア 代表理事(2011〜)
4. 保健医療学学会 副会長(2012〜)
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事務局

一般社団法人
大阪府理学療法士会
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